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いよいよ既存住宅状況調査始まる!

2018年4月21日[ケヤキの見える窓辺]

この4月から改正された宅建業法により「既存住宅状況調査」が実施される運びとなった。

固い話ですがこの調査の目的は対象住宅に生じている劣化事象等の有無を調査することを目的とし、その住宅の現行の建築基準法関係法令への適合性の確認や耐震性や省エネ性能等の住宅の性能の程度を判定すること、住宅の構造耐力上主要な部分等への隠れた瑕疵の有無の判定や瑕疵がないことを保証することを目的としていない。

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具体的にはどのような調査なのかを明らかにする。まず調査は現場に足場を組むことなく少なくとも歩行その他の通常の手段により移動できる範囲や移動が困難な家具等により隠ぺいされている対象部分を除く部分で行う。つまり調査では足場を組まずに行い、移動困難な家具があれば移動せずに目視や計測などできる範囲を調査する。これは調査にかかる費用や時間などを考慮して決められている。

 

住宅の床下や屋根裏(小屋裏)は点検口から目視で確認できる範囲を調査する。マンションなどは大体ユニットバスの点検口から見える内部躯体の範囲を調査することになる。

 

住宅でいうと雨漏りは大切でその原因は屋根や外壁、開口部廻りからの漏水で室内の壁、天井にシミ跡などを残す。屋根の場合は天井まで到達していないが屋根と天井の間の空間を調査することによりシミ跡を確認したりできる。たとえ室内に漏水がないとしても屋根の軒裏などにシミ跡があれば漏水していて屋根の構成部材を劣化させる原因ともなるので注意しなければならない。

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もう一つ大切なことは構造上の安全にかかわる調査である。地盤のことから始まり、基礎、柱、梁など見える範囲の劣化事象を確認する。たとえば基礎にクラックが多発している場合は地盤の不動沈下などが原因のこともあり、基礎の構造上の問題から派生している場合もある。基礎が無筋であったり、鉄筋量が不足していることが原因の場合もある。またクラックが発生するとそこから雨水が侵入して内部の鉄筋を錆びさせ基礎を弱体させる。

 

マンションの場合は築年数が古いとコンクリートの強度が所定の範囲にあるかどうかも調査する。それは特殊な機器でコンクリート素地の箇所で調査しなければならない。

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調査するものは建築士でかつ所定の講習を受けたものに限られる。また限られた時間できちんと調査するにはそれなりに経験が必要であることも確かである。それに住宅の設計監理の仕事を実際しているかどうかも重要だと思う。建築士の数は多いが実際に設計監理とくに住宅の設計監理をしている建築士の数は少ない。

※ 写真はわが家の端午の節句の飾り物

 

 

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