武田さんにご依頼された経緯をお教えいただけますか？
私が武田さんと親戚関係にあった事、また母が病気になり「バリヤフリー設計」の家が必要になったため、武田さんに依頼しました。
よく私たちのことや家の造りの事を知ってくれているので、彼以上の適任者はいないと思っていました。
何より、彼のとことんこだわって仕事をするというスタンスが好きでしたので。
きっと母が生活をしやすい家をつくってくれるのではないかと期待して依頼しました。
ご依頼主様から武田さんに出した要望などはございますか？
そうですねー、特に「バリヤフリー住宅」という事以外は何も要望しておりませんでした。
ただ、昭和9年に建てられた古いお家でしたので、雨もりもしておりましたし、電気系統もめちゃくちゃであったため、その辺はちゃんとして欲しいとよ要望しました（笑）
後は、古材なんかを上手く利用出来ればして欲しいとも伝えました。
設計中のエピソードで興味深かったことはございますか？
昭和9年に建てた、とにかく古い建物なので、現在の規格に合わせるのが大変だったみたいですね。
特に耐震改修が凄く手ごわかったみたいです。基礎から全て打ち直ししていました。
でもただ普通の耐震改修をするのではなく、それをデザインに取り入れているのが、おもしろいところだなと思いました。
一部の壁が透ける構造で、構造材が模様みたいになっている。
また、ホールダウン金物（耐震金物）が直接見れて、メンテナンスが出来るというのがおもしろい。
後は、2階の大梁を綺麗に磨いて、オブジェみたいに見せてくれているのも実に興味深いですね。
最後に。実際に新しいお家に住まわれた際の感想をお聞かせ下さい。
見ていただいての通り、空間自体がとても明るくなりました。この障子なんておもしろいでしょ？ポリカーボネードを使用した現代風の障子なんですよ。
とても良い具合に光を通してくれるんです。また、天井高も高いのでとても開放的に感じます。後は古材を上手く利用していただいたおかげで、とても懐かしく温かい感じが残りましたね。外壁の焼杉板も好きだし、瓦の感じも好きです。
本当に良い家をつくっていただき、ありがとう。
