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中古住宅はリフォーム済み物件は購入するな!

2018年4月28日[ケヤキの見える窓辺]

中古住宅の販売広告で内装リフォーム済みとか水廻り改修済みとかの文言をよく目にする。

販売業者がリフォームする場合は当然販売が目的であるのでなるだけ安い改修工事になるように目論んでいる。それはそれで購入される方が納得の上であれば何ら問題はない。

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しかし事情を理解していない消費者が買う場合はトラブルが発生しやすいことに要注意。

キッチンなど水廻りの入れ替えなどは比較的手間がかからず見栄えするので業者が販売するほとんどの中古住宅に採用されている。しかしよく考えてみなくてはならないと思う。

 

中古住宅はリフォームに入る前にきちんとした調査が必要である。その調査結果に基づいてリフォーム計画を立てて行うのが通常である。この調査結果が消費者に示されないまま、業者ペースでリフォームされて販売されることが問題である。工事額が安く見た目がよいことが優先され、手間のかかる見栄えにはあまり影響されない改修がなおざりにされ勝ちになるのは当然である。

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中古住宅でも20年経過したものは床の下地も劣化して床勾配に支障が出る場合が多い。しかしこの床勾配の是正は手間のかかる作業である。おいおい仕上げ材のフローリングを張替だけの仕事にされることが多い。最近この床勾配不良が原因でトラブルとなる案件が増加しているように思う。床の勾配不良は入居してから気付くことが多い。子育てで長時間の在宅を余儀なくされる主婦層が健康被害に遭われることもある。

 

中古住宅物件の購入を検討されている場合は時間には余裕をもつことが大切である。まず現状をきちんと把握し、それをもとにリフォーム計画を立てる。予算には限りがあるのでどの程度改修工事に回せるかをきちんと把握した上でリフォーム計画をたてる。現状をきちんと把握し現在の価値に見合った金額であるかを見極める必要がある。その場合は建築士など専門家に相談されるのもよいと思う。大切なのは自らの味方となってくれる建築士かどうかである。

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売主側や業者側の建築士ではやはり忖度があることを理解しておく必要がある。中古住宅の現状の適切な価値が見極められ、それ相当の売価であることを確認したうえで自らの希望するリフォーム計画をたてる。また既存の住宅の価値がゼロで取り壊して新築するケースもある。そのときは中古住宅の取り壊し費用やインフラの整備状況をきちんと把握したうえで売価が適切であるか検討する。中古の家付きの場合は逆に取り壊しもあるので更地の土地を購入するより安くなる場合もある。いわゆる掘り出し物に出会うこともある。

 

大切なポイントは自らの味方となってくれる建築士と一緒に中古案件の購入を検討されることだと思う。

※ 写真は家内てづくりの端午の節句の置物

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