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建築現場の活況

2016年9月30日[ケヤキの見える窓辺]

現在工事中の住宅の工事現場に行ってきました。大工さん4人と工務店の社長の5人が懸命に仕事に取り組んでいました。若い大工さんも自分の担当分野を任され、やる気がみなぎっていました。棟上げまで指揮を執っておられた棟梁も若い大工の天井のシナ合板を取り付けの作業を手伝っていました。こちらに投げかける質疑もいい家づくりをするために自ら思った考えをぶつけてきます。私もいい家づくりをするために懸命に考え一緒になって答えを導き出していきます。若い大工さんが担当のまだ取り付けしていない階段の手摺を誇らしげに見せてきます。もちろん設計図に基づいてはいますが感心するほど見事な出来栄えでした。こんな環境ができれば自然に信頼関係が生まれてゆきます。

 屋久島11 海がめの赤ちゃん誕生

私が家づくりのお手伝いさせていただいている建築施工現場とハウスメーカーの建築施工現場との最大の違いは現場の雰囲気にあると感じます。それは職人さんの仕事の請け方が異なるので仕事に対する取り組み方がおのずと違ってくるからだと思います。職人さんの技量によらずただ決められた部材を素早く問題なく取り付けていくことに主眼をおいた工法を開発することを第一としてきたハウスメーカーとの違いは明らかです。最初から決められた部材と組み立て方を決めているので工期が早くなるのは当然です。設計も工法や使用する部材なども予め決められていてその範囲内で設計するしかないので設計図書も主に間取り示す平面図と立面図、断面図、仕上げ表、構造関係の書類ぐらいをそろえるだけで済ませられます。これも設計に要する時間を短縮させるのが目的です。

屋久島12 海がめ海に一目散

以前のブログでも書きましたが設計で一番大切なところは家づくりの根本になるコンセプトを産み出すことです。設計図書はこのコンセプトに基づいて作成してゆきます。コンセプトは家を取り巻く環境、そこで生活される家族の在り方、日常の過ごされ方、自然との折り合いの付け方など様々なことを一旦坩堝に投げ入れて熟成するのを待ちます。ただ待つだけではできないので産まれてくるよう様々な工夫を加えていきます。これは個々の設計者の自家薬籠中のものです。あたかも赤ちゃんが妊娠して出産されるように、ある大切な時を経過する必要があるのです。

 屋久島13 海がめ赤ちゃん ひたすら海へ

どうしても早く家を手に入れたい方はハウスメーカーにご依頼されることをおすすめします。私どもにご依頼される場合はやはり時間がかかりますので。その辺をご理解いただける場合、設計事務所が設計して施工を担当する工務店がタッグを組んで行う家づくりにご参加ください。設計者の目と監理者及び施工者の目は家づくりには不可欠なものだと思います。そして活気あふれる現場もいい家づくりには不可欠です。

※写真は世界遺産に登録される前の屋久島でウミガメの孵化に立ち会ったときのものです。

 

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