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住宅の外構工事トラブル

2020年1月7日[ケヤキの見える窓辺]

 最近よく相談を受けるのが自宅の擁壁、室外機の基礎、塀など外構工事に絡むものである。とくにハウスメーカーの実施する住宅に多い。家の方はメーカーの決められたマニュアル通りに手順を踏んでいけばそれなりに建てられる。しかし外構工事はその家の事情により地盤の状況、高低差、敷地形状など千差万別である。擁壁一つとってもそれなりの知識や経験が必要である。一般には擁壁を確認申請する場合は限られるが申請しない場合でもその安全性に十分に配慮されたものは少ないのではないだろうか。きちんとしたものにするためにはそれなりの知恵と経験がいるし費用もかかる。

 住宅を考える場合、家に比べて外構工事は後回しになるのが当然で、なるだけ費用をかけないで行いたいのが普通である。そんな中ハウスメーカーも人手不足で若い経験のない担当者になる場合が多い。擁壁の問題点も十分理解できているものは少ない。通常のL型擁壁などは実施例も多いのでそうそう失敗はしないと思うが、逆L型になると注意する重要ポイントは増えるがなかなか実施例は少ないので安全性に十分配慮されたものは少なくなる。地盤の土質に対する確認もおろそかにできない。

 室外機の基礎についてもたかが基礎と思うなかれ。ある現場では室外機の基礎を住宅の基礎と緊結している例があった。住宅はしっかり地盤調査も実施されて沈下することはない。しかし基礎附近の地盤は埋め戻される場合がほとんどで将来沈下が予想される。それにもかかわらず基礎と緊結しているものだから接続部でひび割れを起こし室外機基礎は傾くことになる。こういう初歩的なトラブルがあとを絶たない。それは先に述べた事情からだと推測できる。

 

 

 

 

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