地震と家づくり
2019年6月19日[ケヤキの見える窓辺]
昨日震度6強の地震が発生したとの報道が日本全国駆け巡りました。我が国で暮らす以上、地震は避けることはできません。
家づくりを計画される方には地震の影響は看過できない需要ポイントだと思います。ただ家を破壊し人命を奪うほどの大地震は私たちの一生に一度あるかないかだと思います。熊本地震では地域によってはそれが複数回きたので驚かされた方も多かったのではないでしょうか
こんな地震国なので家づくりに置いても国は最低限の基準である建築基準法をたびたび改正してきました。そのため、大地震がきても倒壊して人命を奪うことは少なくなってきています。
ただ建築基準法では地震に対して抵抗する力を大きくして対抗する耐震の技術でした。それも大地震に対しては家の倒壊を防ぐことでそこで生活される人の命を守るということに主眼を置かれた最低限の基準でした。家という不動産は私たちが一生で一度しか獲得できない高額なものです。高度な耐震性能を強いることは家の価格を吊りあげることにもつながり、建築基準法では最低限の基準を設けることになっています。
大地震に遭遇して倒壊は免れ、命は助かったが家の方は大きな損傷を受けてそこにふたたび暗線に住まうには多額の費用をかけて改修する必要があります。まだ家のローンが残っているのに更なる負担を強いられるのです。それは大きな問題です。
私たちは、熊本地震では短期間に複数回大地震が襲うという初めての経験をしました。これからは耐震だけではだめで、地震の揺れを低減して震度7を震度3になれば大抵の家は被害を受けても軽微で多額の改修費をかけなくても、続けてそこで生活することができるそういう考えが私自身強くなっています。
3年前に神戸市に建設した住宅では、建築基準法に基づいての耐震性能は確保しているがさらに先ほど述べた減震という技術を採り入れました。それまでは高額な大がかりな設備に頼らざるを得なかったのですが技術の発展で様々な製品がでてきています。
私たち設計事務所は、ハウスメーカーのようにブラックボックス化した技術ではなく一般の市場の洗礼を受け生き残った技術を使います。日本全国の研究者、技術者が開発したオーブンで安心できる技術です。
※ 写真は神戸垂水の家