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中古住宅—–購入する場合のポイント1

2018年12月26日[ケヤキの見える窓辺]

 都心部では新築住宅価格が上昇してマイホームの実現はかなり難しい状況です。一方中古住宅に目を向ければ人口減少などの要因で空き家が増加しているとの報道がある。そんな状況の中、中古住宅に関心を寄せる方も増えているようだ。しかし購入を決断するには確固たる情報が少ないのでなかなか踏み込めない現実がある。

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   中古住宅は新築住宅と異なり、立地のいいところに建っている物件も多い。周囲がまだ未完成でぽつんと建つこともある新築住宅よりは住宅の廻りの環境もほぼ完成されて理解しやすい。また現在の法律では実現不可能な床面積を確保している古家もある。そんな家はうまくリフォームすればお買い得なマイホームに化ける可能性はある。

 

まず中古住宅についてポイント別に考えてみよう。

1.完了検査済証の有無

  最近の住宅では完了検査を受けて検査済証を取得するのは当たり前になっているが今から20年前以前に建てられた住宅では完了検査を受けて検査済証を取得している住宅は全体の30%を割っていた。検査済証がないと不利になる点を考えてみよう。中古住宅を買って増築(10㎡を超える)を検討している場合は検査済証がないと増築は不可能。確認申請の済証があっても検査済証が必要。

 

2.重要事項説明とインスペクター報告書

   住宅を購入する際には宅建主任から重要事項説明書を説明することが義務付けられていますが十分に理解されてから購入されることが大切です。ここに建築確認申請の情報もあります。完了検査を受ける住宅が少ない時代でもまともな住宅は確認申請は実施しています。ただ現実には確認申請書の副本や確認済証がない場合もあります。そんな場合は確認申請と済証を受領したという証拠の建築計画概要書の有無をもって代替することもあります。

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   私の経験した事例ではこの重要事項説明書には概要書のコピーが添付されていました。しかし私が調査した結果、構造的に大きな欠陥のある建物でした。とても確認申請して済証をもらえるような仕様ではありませんでした。日付を確認すると概要書の日付と建物が竣工した日付とは10年近くの開きがありました。以前に確認済証を取得したときの建築計画概要書が残っていて、それとは異なる仕様の建物を建てて今度は中古物件として売るときに済証をもらったときのものを利用したという案件でした。

 

   このように需要事項説明書だけで判断すると実際の建物の構造的な欠陥は見いだせず、同時に調査(インスペクター)をしないと書類上だけでは見落とす危険があるということです。(以降次回につづく)

 ※ 和束町の景観

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