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中古住宅—–購入する場合のポイント2(つづき)

2018年12月28日[ケヤキの見える窓辺]

3.狙い目はあるのか

  完了検査を受けていない中古住宅が出回っていて消費者にとってどのように中古住宅の品質を評価していくか迷います。完了検査を受けていないだけのきちんとした中古住宅も中にはありますが、品質が悪く違法建築も多く出回っているようです。竣工時期が平成12年前後と平成21年前後とで一般的な品質の目安が異なります。平成12年4月に「住宅の品質確保の促進等に関する法律」ができ構造と防水に関しては10年保証するということが義務化されました。それ以前は一般には保証期間が2年というのがほとんどであった。さらに平成21年10月以降にはその10年保証も業者が倒産するともらえない場合や業者の資金繰りによって補修工事ができない場合もあったがそういう事態を防止するため業者はそれ相応の供託金を納めるか保険に入ることが義務化されました。検査も保険会社による中間検査が実施されるようになった。

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  とはいえこのことである程度の品質の向上には役立ったようですが構造と防水以外の部分については保証がないわけで果たして消費者を安心させるには至っていないように思います。そんな中で「住宅金融公庫の融資を受けた物件」はある程度の品質確保はされているように思います。それはそれで価格の方もそれなりになっていますが。

 

  格安物件にも要注意。なぜ安くなっているか理由があるのです。将来建替えや売却を考えずに自分たちだけの世代だけで住めればいいというだけなら、たとえば接道条件を満たしていない物件ならかなり割安の物件があります。建替えができないという理由で割安になっています。

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  立地条件がよくて周囲の環境も気に入っていて将来の建替えも可能である物件で安い物件があればいいのですが。現実には素人だけの判断できるレベルを超えているように思います。たとえば家だけに目をつけて判断すると見落とすことが多い重大なポイントがあります。特に眺めのや日当たりが期待できる丘陵地帯にある住宅は段差調性に擁壁のある場合が多いです。場合によってはこの擁壁の安全性が確保されていないために擁壁の改修に多額の費用がかかることもあるので要注意。

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  逆に不利な条件でも専門家の判断によって有利に展開できる場合もあります。私の経験した物件です。駅から徒歩圏にあり、閑静な住宅街でした。南北2面道路の敷地で、南側の私道側と西側隣地側に擁壁が設置されていました。とくに西側擁壁は危なっかしい2m弱のコンクリート擁壁の上にブロック塀が設置されていました。その擁壁も敷地境界にそっていない部分もあり、補修は困難な状況でした。さらに南側の私道には電柱とそれを支える斜めの補強ワイヤーがあり、せっかくの南側の視界を邪魔する要素がありました。新築の案件でしたがそのような不利な条件があったために売れ残っていて売値も相場より安くなっていて、擁壁の取り壊し・新設と古家の取り壊し費用なども含めても事業採算に合うという判断でした。このような人気の土地ではハウスメーカーや建築条件付きで販売する工務店などが手を伸ばし物件が抑えられてしまいます。西側・南側とも安全な擁壁に新築し、南側の電柱の影響は設計の工夫で対応しました。(次回につづく)

※ 写真は北海道の札幌・小樽・函館の建物

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