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ハタ(ト)迷惑な話——都会でハトとの共生は?

2017年12月30日[ケヤキの見える窓辺]

東日本大震災の被害に遭われ避難を余儀なくされた地域あります。テレビ報道などによれば人が住まなくなったために野生動物が市街地にまで入り、引っ越しされて残された家屋を住処として家屋に甚大な被害を与えているという。

 

都市の近郊農家でも野生動物により畑が食い荒らされる被害が増えているときく。大阪の能勢でも野生のシカが作物を食い荒らすので畑の廻りを柵で囲われている地域もある。

 

私の仕事場である大阪市内でも似たようなトラブルが発生して、近年増加の傾向にある。被害に遭われている方もいらっしゃりご存じの方も多いと思うがそれは「ハト」である。

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平和の象徴とわれているが最近とくに数が増加している。それに応じて人とのトラブルも増加傾向にある。市内にはマンション住まいが多く、そのバルコニーにハトが侵入してきてあたりかまわず糞をまき散らす。まだ人が住まわれていて常時バルコニーに出入りのあるところは被害が少ないが、空き部屋だったり、一人住まいでバルコニーにはほとんど出られない生活をされているところではハトが我が物顔に進入して糞をまき散らす。バルコニーへ人が出ないためそのままでは糞が溜まる固形化してくる。また常時ハトが来るので他の健全に生活されているところにも被害を及ぼしてくる。ハトの糞には人間にとって有害な病原菌も含まれるとの報道もあり、子育て世帯はどうしても敏感にならざるを得ない。ほんとうにハト迷惑な話である。

 

このハト対策に名案はあるのだろうか?匂いや音で撃退する方法やワイヤなどをバルコニーの手すりに張って撃退する方法などもあるが決定的な方法ではないようだ。一番確実なのはマンションのバルコニー全体をネットで覆うことらしいが、これは美観にも居住者に心理的な影響を与える。こんな話もある。近所にネットを設置したマンションがあるがそこにたむろしていたハトがいままで被害の少なかったマンションに侵入してくることだ。

いたちごっこの方法では町全体がネットで覆われた異様な風景になってしまうことが目に見えている。

 

 早朝、駅に降りると空き地にパン切れが大量に置かれている。明るくなり始めるとハトの大群がきて一斉にパン切れをついばんでいる。善意でパン切れを置いているのだと思うがこれが都会でのハトの必要以上の増加を招いている原因の一つだ。ハトによる被害を受けられている方は絶対にこういうことはしないと思う。これもハト迷惑な話だ。

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 都会に住むものにとって生物との適度な共生は生活に潤いと豊かさを与える。しかしそのバランスが崩れると悲惨な結果になる。ハトに狙われた(この表現はあくまでも人間の視点)マンションはハトとの糞の掃除に、洗濯物の汚れに、その鳴き声に、糞による病原菌の飛散にも対処するため窓などの開口部は閉めたまま、マスクをしながらばるおにーの糞の掃除など不愉快な生活を強いられる。

 

 私もいろいろと相談を受け、人の触れられない高窓の窓台には剣山などを置いたり、テグスで輪っかを吊り下げたのれん(これは鳥類研究所?で以前カラス被害に遭遇したときに教えてもらった方法)をぶら下げたりしてみたが、決定的な解決方法ではない。

 

 どなたかハトと共生できる名案をお持ちであればぜひご教示願いたいと思う。

※ 写真は家内の作品

 

 

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