マイホームのデザイン
2017年3月17日[ケヤキの見える窓辺]
マイホームを計画するとき、ほとんどの人は外観はどんなデザインになるのか、リビングの感じはどんなになるか、台所回りはどんな形になるのか、玄関は?と思いを馳せながら夢と期待を膨らませると思います。なかにはマイホームに棲むことだけにご興味のある人もいらっしゃると思います。そういうときでもマンションや建売住宅をご購入するときは内覧会などでやはり外観や内部の間取りや仕上げ材、仕様などやはりさまざまな面から御検討されることと思います。
ただ地震国に長期間暮らすことになるのでまず安全性についてもきちんと検討しておくことは当然だと思います。また我が国の風土からすると諸外国に比べて雨量が多いので施工が悪いと雨漏りなどのトラブルが発生する場合もある。専門の建築士とともに家づくりをする場合はともかくマンションや建売住宅を購入する場合は自分の味方となる専門家なしに判断するのが通常なので住んでから思わぬ災害に遭遇されたときや、雨漏りなどのトラブルに見舞われて初めて後悔することも考えられます。
マイホームは一生に一度あるかないかの大きな買い物です。それに長期間保有する不動産ですのでできるだけ慎重にことを進めることが大切ですね。
さてデザインの話に戻りましょう。建築士などの専門家と一緒に家づくりをすすめていく場合を考えます。通常は間取りというか平面図から入って行きます。各部屋の広さや位置窓など開口部がわかる図面を作成して検討します。同時に各部屋のつながりを示すために家を垂直に切断して表した断面図なども作成していきます。その辺の打ち合わせがある程度まとまってきたら建物の外観を表す立面図を作成します。とくに窓廻りのデザインはとくに大切で暮らしと自然との関わり方にも大いに影響するからです。
外観では屋根の形状も大切ですね。建築基準法で決められた高さ制限の中、内部空間をのびのびしたものにするため私の場合は屋根の形状に合わせた勾配天井にする場合が多いのでそれに合致した屋根の形になります。また四季折々の採光の変化を最大限に生かすため屋根の上に小さな屋根を設けて採光するデザインをとることもあります。それらを積み重ねていって自然に外観デザインはまとまってくるという流れです。
あまり高さ制限の影響を受けない地域にあるなら最初から外観デザインを決めてから内部を決めていくというアプローチは可能ですが都心の住宅ではそれは不可能です。暮らしや自然との関わり方で決まってくる民家のようなデザインが地域に馴染んで、息の長い飽きのこないデザインになってマイホームの性格上その方が合っていると思います。
とくに最初から外観デザインなどに悩まなくても昔から民家は存在してきました。
※写真は京都智恩院の風景