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空き家問題を考える

2017年1月31日[ケヤキの見える窓辺]

日本全国で空き家が増加しているのは承知のことですがその有効利用についての妙案はあまりないようである。手入れされず放置されたままの住宅が崩壊の危険のある場合は公共団体が強制的に撤去できる手段が確立されている。しかしそのような住宅は稀で他の大部分は持ち主がおられるもののその処分に決め手がないために有効に使われずに残っている。

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私もそうだが都会ではマイホームの第一段階はマンション購入であった。都会の住宅事情からも今もあまり変わっていないようですが戸建住宅にはマンションと異なる魅力があります。家と自然環境との関わりが全方位である戸建住宅に比べてマンションの場合は関わる方位が限られる。戸建住宅の場合屋根部分も自然環境と接するのでどうしても自然環境との関わりはマンションに比べて深くなる。ただマンションの魅力はその眺望にあると思います。それだけは戸建住宅のかなわないところです。

 

戸建住宅の古家の場合、古家をリフォームしてもっと魅力ある空間を実現してふたたび再利用するという場合もあるが超えるハードルは高いと思います。まず地震対策で耐震技術の進歩もあり、少なくとも新築と同程度の耐震性は保持しておくことは常識である。それに加えて魅力ある空間を確保するため一部の柱や梁など構造部分をいじる必要がある。そのためにかなりの費用が必要になる。古家を解体して新たに建てなおす方がメリットが多い場合が多くなる。

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外国では築100年を越える木造住宅が高値で取引され場合によっては古家の方が新築するより高くなる場合があると聞きます。我が国の場合はほとんどの家が築数十年で取り壊すことを前提に安普請されたものが多い。とくに新耐震以前に建てられた家は耐震性が低く基礎も鉄筋の入っていないものもあり、現在の耐震性を保持するためには新たな基礎を造り直す必要もある。

 

都心での古家の場合のメリットについてはつぎのようなこともある。都心にある交通の便のよい長屋の一軒をリフォームしてマイホームにする場合などは同じ広さのマンションを購入するよりかなり安くなることがある。昔の木造長屋は現在の建ぺい率をオーバーしているものが多く既存不適格建築物になるが違反建築物ではないので既得権が認められているので建物の形をそのまま変えず、屋根と柱・梁を残しての全面改修は金銭的にメリットが多い場合もある。

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現状では空き家は増えるものの有効に再利用できるものはある程度限られてくるのではないだろうか?家の寿命は数十年ではなく、あとの世代がリフォームして再利用してみたいと思わせる家づくりを考えていく必要があります。

※写真は日本に残る魅力ある民家

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