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土地探しから始める家づくり

2015年4月11日[ケヤキの見える窓辺]

私が仲間と共にグランフロン大阪で奇数月の第三土曜に開催している「建築よろず相談」においてもマイホームを建てたいが土地の探し方についてわからないので何かアドバイスが欲しいという相談も受けることがある。また30代そこそこの若いご夫婦からもマンションを含めて新築住宅のトラブルの相談も受けることがある。

 

今回弊社で30代そこそこの新婚家庭の家づくりをお手伝いすることになった。しかも土地選びからお手伝いすることになった。若い世代で家づくりを考えておられる方に参考になるのではないかと考え筆をとりました。

 

現在は夫婦で共働きというのが標準になってきた。持家派、賃貸派と昔から比べられてきたが、不安定な時勢を反映してか、なかなか私たちの世代のように持家を選択することが少なくなっていたが、ここ最近は経済情勢が安定してきたのか若いうちに持家を取得しようとするケースも増えてきているように思う。その理由を考えてみると今は史上最低のローン金利が続いていて、若いうちにローン契約すれば定年退職までにローン支払いが終了するので人生設計が建てやすいということが挙げられる。夫婦共働きを前提ならかなり高額のローンを組めるのもその理由の一つだと思う。

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私の事務所で家づくりをお手伝いさせていただく場合はすでに土地をお持ちの場合の案件がほとんどである。しかし今回のように土地探しから始める場合も最初から私のような専門家が介在して動くとスムーズに流れる場合が多いのではないだろうか。

 

このケースの場合、自ら育った土地ではなく全く知らない土地でのマイホーム用の土地を探すことになった。最初に相談を受けて、まずその土地の事情に詳しい不動産業者を探すことから始めた。幸い私の友人がその土地に住んでいてその紹介で不動産業者を決めた。土地探しにおいても家づくりと同じで信頼できる関係を構築することが一番大切なことと思います。

 

まず通勤の便利さ、子育てに重要な周囲の環境、教育環境、共働きになるので買い物や病院、銀行などの項目を検討していく。知らない土地にきて一番わかりずらいのは学校の事情ではないだろうか。やはり荒れているといわれている学校に子供を通わせることを選択する親は少ない。

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今回も不動産業者から複数の候補地の情報の提供を受け、私も一緒に見学させてもらった。そこで専門的なアドバイスをさせてもらい依頼者と打ち合わせながら土地を絞って行った。複数提示されても価格面、周囲環境、土地の形状、依頼主の希望や私のアドバイスなどのフィルターを介して選んでいくと一つに絞られてくる。こんどはその土地が住宅用地として適正化どうかの検討を詳細にすすめる。これは主に私の方の仕事だ。今回は古家付きの土地であった。隣地一杯には擁壁があったがブロック擁壁でそのままでは確認などの審査は通らないと判断し、撤去を前提に計画をすすめた。土地の測量も終わっていない物件であったがそれなりに検討していかねばならない。銀行からのローンの相談のため平面図や立面図の図面を最低用意する必要もある。またその計画基づく概算工事費見積書も作成しなければならない。その際に重要なのはインフラの情報である。古家が建っているので給水、排水など設備は大丈夫だと思うなかれ。たとえば引き込み給水管は20mmが標準だが古家では13mmが残っているところもある。これを引き換えるのに200万円近くかかるケースもあるので要注意。また汚水排水も昔は浄化槽を介して行う場合があり、大都市ではほとんど生放流が常識だが昔のままの状態で汚水排水をしているところもある。排水本管が私道に埋設されている場合は将来の排水本管の更新の場合などややこしい問題が発生する場合もある。

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さらに地域によっては古井戸が残っているところもある。植木の散水に使えることもあるが若い世代にとっては厄介な代物だ。家相においても井戸に係るものも少なくない。隣人へのヒアリングなども含めて情報収集が必要となってくる。あと土地の周囲の住人の情報もつかんでおくことが将来そこに住むものにとっても重要だと思う。今回は不動産業者に情報提供をお願いした。既存の塀を撤去するにも工事が可能なように隣の同意を文章でもらっておくことも忘れてはならない。

 

今回の物件では以上のことに注意して計画を進めていった。私の方でも役所でインフラの状況や法規制、道路情報など調べたり、高度地区などの規制も計画に大きな影響を与えるので1/2500の地図を購入したりした。不動産業者も現地に近いので具体的な調査を快く引き受けていただいた。こういう状況でなんとか念願のマイホームの土地を選ぶことができた。これからは施主と打ち合わせながらさらに具体的な形として仕上げていく作業に入って行くことになる。

 

家づくりは自分だけではできない。慎重に協力者を選び、互いの信頼関係を築くことが最も大切なことであると思います。

 

※写真は東大寺の春風景

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