家を購入してからでは遅い専門家の関与
2014年8月16日[ケヤキの見える窓辺]
家を購入する前には気付かなかったが住んでみて気付く様々な不具合がある。新築の住宅の場合は瑕疵担保保険制度ができて雨漏りや構造の瑕疵については一応安心できる状況になっている。しかし家の不具合は他にたくさんある。クロスやフローリングや塗装など仕上げについての不具合や基礎のひび割れ、床の傾き、家の不同沈下、防水、擁壁に関する不具合、その他設備に関するもの・・・・など。
また相談を受けて調査したらもっと大きな構造の欠陥があったなど少なくない話である。
相談される案件に共通していることがある。ほとんどの方が不動産会社や建設会社と自ら直接契約する場合である。物件の契約までに自らの味方となる専門家に依頼して物件を調査したり、自ら疑問に思うことを自らの味方となる専門家に相談したりすることがないまま業者側のペースで契約してしまうケースが多い。
家のトラブルで相談の多いものの一つに、購入してしばらくたってから気づいた家の不
一度トラブルになると自らの味方となる専門家がいない場合は業者(=プロ)相手に非常に厳しい交渉を覚悟しなければならない。また後手に回った交渉では専門家が関与するとしてある程度解決したとしても100%満足する結果になるとは限らない。解決までに必要な時間、費用、精神的な苦痛を覚悟しなければならない。
一生に何度もない何千万もの買い物を業者(=プロ)相手に簡単に契約してしまうことが不思議でならない。このことをお話するとほとんどの方が理解して契約前に専門家に調査なりしてもらった方がよかったと反省なさるのである。相手はプロなので素人相手に言葉巧みに契約までもっていくノウハウは持っているのだ。
業者がプロとして良心的に対応するところもないわけではないが、われわれに相談に来られる案件の相手方の業者には最初から悪意をもっていたか、消費者側の利益を蔑ろにして自社の利益ばかり優先してはいさようならというケースもなくはない。トラブルになったとしても最初からトラブルを想定して事後対策を講じていて自らには損害を被らないようにしているケースもある。
家の契約に関してトラブルを事前に防ぐためには契約してしまう前に自らの側にも専門家を関与させ調査なりしてもらうことが大切である。ただ調査を専門とする会社には調査(報告書を作成し中身がないまま金銭だけをきちんと請求する類の調査)しかできない担当者が多い。大事なのは自ら設計監理もして豊富な経験を積んだ専門家でないと指摘できないトラブルが多いのことである。建築士の資格をもっているとしてもまともに設計監理を行った経験がないものが多くいることにも注意が必要である。
※写真は家内の趣味である陶芸や書の作品