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暮らしと自然

2018年11月7日[ケヤキの見える窓辺]

自然はときには猛威をふるって私たちの暮らしを脅かすことは知っている。私たちは長い年月をかけてそんな自然と相対してきた。地震、台風、津波、洪水、高潮、竜巻、雷などその怖さを身に染みてわかっている。それでもそんな自然ではあるが私たちはその良さをよくわかっていて自然とともに暮らしていくことを大切にしてきた。

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科学技術が発展してきて住居の性能もアップし昔の住居に比べて自然の影響を受けにくくなってきている。いやその影響を少なくする方向に科学技術を発展させた。窓サッシの気密性能が上がり、窓を開けない限り風を家中で感じることはなくなり、風による木の葉ざわめき音も聴こえなくなり、早朝の小鳥のさえずりもしなくなっている。我が国は四季があり、その豊かな変化を暮らしの中で楽しんできた。しかし気付かれていると思うが家が高性能化になるにつれ自然とのふれあいは希薄になっている。

 

私たちの経験からも子供は自然と触れ合う方が豊かに育つことは知っている。家族も同じだと思う。家を高性能化することは文明の一方的な流れにそってこれからも進んでいくと思う。このような流れの中で私たちはともすると大切なことを見失う。こんな時だからこそどのように自然と接していくかの折り合いを見つけて家づくりに反映していかなければならないと思う。

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昔の性能の悪い家の暮らしの方が豊かであったと言われることが多いがその点がポイントだと思う。いまこそ高性能な家に住みながら、昔と同様この豊かな四季のあるわが国の自然とともに暮らせる豊かな毎日が求められているのだ。とくにマンションとは異なり、戸建住宅は360°自然と接しているので工夫次第でそのような暮らしが可能になるチャンスがある。

 

家の高性能を謳い世界中に同様の家を売ることを目指している大手企業の戦略に騙されてはいけない。地域地域に特有の自然があり、それに応じた地域の暮らしがある。それに個人の施前途の接し方は千差万別でその折り合いは様々でそれにあった家づくりも千差万別である。それは高性能な家にあってなおさら忘れてはならない私たちの暮らしの原点なのだ。

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 ※ 京都一休寺の紅葉

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