妥当な工事費について
2017年6月20日[ケヤキの見える窓辺]
ご存じのように人手不足で職人の手間賃も上がってきています。時間をかけて丁寧な施工は実施されにくい状況にあります。なおさら第三者の専門家の目が届かない環境では雑な仕事になりがちです。家を建てるにあたって工事費にはだれしも関心があると思います。設計事務所など施主側の専門家が関与しない場合は要注意です。結論から申し上げますと妥当な工事費があるように思います。専門家が関与する場合は妥当かどうかのチェックが効きます。そうでない場合は安すぎても高すぎても問題が発生する場合が多いと思います。
とくに建売住宅では消費者は注意する必要があります。すべて仕上がった状態で家を見るのである意味安心できますが、購入したら長い期間保有することになりますので隠れた瑕疵については要注意です。
構造なら耐力壁や剛床の施工状態は施行時にきちんとチェックしないとわからないからです。防水も防水層の端部の納め方、防水立ち上がりの寸法、サッシ廻りの止水処理、外壁の防水処理などたくさんのチェック項目があります。完成してからではほとんどどのような施工がなされたのかわかりません。
時間をかけて丁寧な仕事をしていればそれなりの妥当な価格になるのです。安いということに目を奪われて購入された消費者から様々なトラブルの相談が寄せられています。逆にそこそこの価格であるにもかかわらずトラブルの発生している住宅も少なくないのです。数多く物件を手がける建売業者では一つ一つ真剣勝負だという覚悟はどうしても希薄になります。やはり家というのは施工者の姿勢、仕事に携わる職人のモラルや技量などに大きく左右されます。
建売でも工事途中の施工をチェックできるものもあります。第三者の専門家にチェックしてもらうことを了解をする業者が中にはいます。こういう物件なら第三者の専門家のチェックを受けるので安心できます。もちろん専門家の立ち会い費用は必要になります。後の安心を得るためにもおすすめします。
さて高額な工事費を支払ったのにそれに見合う施工がされずトラブルになった例もあります。十分丁寧な工事ができ、工事期間も急がしてはいない物件なのにトラブルを抱え相談を受けた案件もありました。大手のハウスメーカーでしたが。せっかくの十分な工事費も実際に作業する職人さんの手に十分回らないシステムになっていては職人さんたちの士気も上がらない。ハウスメーカー付きの職人は仕事を短時間に手をかけずにこなすことが最重要になっていてすでに職人魂の薄れた職人が多い。ハウスメーカー付きの仕事では魂を入れた仕事はいらないようにシステム化されているからです。職人の技量に頼らないでもできる納まり、工法になっているからです。
※ 写真は角館の建物