pagetop

BLOG

blog

設計料は高いですか?

2017年3月1日[ケヤキの見える窓辺]

マイホームの実現という一生に一度あるかないかの大イベントのお手伝いを生業の一つとしています。マイホーム実現のためにはとくに設計料という項目が表に出ない場合も多くあります。たとえば建売住宅や分譲マンションを購入される場合など。これらの場合、購入価格に建物の設計料がすでに含まれているので表だってはでていないだけで実際は何らかの形で発生しています。

 DSCF4136

私たちは施主と直接お会いして打ち合わせしながら設計作業を進めて行くのに対し、これらの打ち合わせの相手は売主である分譲会社や販売会社などその家に実際住むことがない

ひとたちです。その決定プロセスをみてみるとまず事業収益が一番で、それが最大になるように進められるのは当然ですね。収益を除いた事業予算の中で確実に販売できる内容になるべくプランや仕様など決められていく流れです。その事業に関わる会社はそれぞれの利益を確保しなければならず実際の工事に回せる予算はどんどん削られます。

DSCF4139

ハウスメーカーの場合はどうでしょうか?あちこちの住宅展示場にモデルハウスを設置して専用の営業員を置いています。マスメディアを使って大々的に広告もしますがこれらの経費もすべて販売価格に載せられています。お客さんと打ち合わせしながら住まいの内容を決めていきますが各ハウスメーカーには独自工法があり、これらは国の許可を得て建築確認申請のさい構造上の審査などが省かれる体制をとっていますのでその制限の中でしか設計はできないのです。打ち合わせの中でそれらの制限を外れて要望を出すたびにオプション費用として工事費が吊り上る方式になっています。また工事も職人さんの技量によって差がでないように工法が工夫されています。逆にいうと職人さんのやりがい—–私はこれが最も大切だと信じていますが—–がないので丁寧に仕事するよりも早く、数多くこなせる方が有利なので「ものづくりの心」が失われます。大雑把にいってしまうと切り張りしてものを取り付けるだけで住宅ができてしまうということになります。実際の工事は下請けの工務店さんがおやりになりますがお客さんの事業費からさまざまな経費を引いたものが実際の工事費になりますし、腕の良い職人さんが力を発揮できる場ではなくなります。意外と工事上のトラブルが多いのも納得がいきます。

 DSCF4145

私たちがお手伝いさせていただくにあたってはどうでしょうか?確かに私たちの作業にあたってはフィーはいただかなくてはなりませんがそのフィーは純粋に作業料だけで余分な経費は入りません。私たちは施主と直接顔を突き合わせながら家づくりを進めて行きます。そこに実際に住まわれる人と純粋に家づくりについて話し合い、形にしていきます。売り切る為の方策のような施主にとっては必要のないことについて無駄な労力を費やすこともありません。家づくりのお手伝いに専念するためにフィーをいただくのであって「家づくりのお手伝い以外に様々な経費のために稼がなくてはならないという要素」は入ってこないのです。

※写真は鎌倉の竹の庭

  • ケヤキの見える窓辺
  • お問い合わせ
  • 建築家×弁護士