pagetop

BLOG

blog

家づくりのススメ③—–土地の地盤調査および地盤面の決定

2016年11月14日[ケヤキの見える窓辺]

古家付きの土地を購入した場合まず古家の解体をします。そのとき注意しなければならないことは家の中には家電や家具や衣類なども含めた雑物が残っている場合がほとんどです。解体業者はそれらを処分した上での仕事とするのでその雑物の処理の問題が残ります。中にはご仏壇などのそのまま処分できないものや遺品もあり通常は売主の負担で処分することが多いようです。今回も土地の購入の条件にこのことを盛り込みました。

 CIMG4021

新築の場合、古家の解体は基礎を残さず行います。解体の際は基礎底の地盤をなるだけいじらないように解体することが大切です。余分に掘削してまた盛り土し地ならしをしてしまうこともあるようですが既存の地盤を有効に利用するためにも大切です。その状態で地盤調査を行います。

 

今回の計画では基礎形式をべた基礎としたので最低でも地耐力が20.0KN/㎡を確保する必要があり、さらに地盤保証をつけるのでそれ相応の安全域を確保することが設計の目安であった。べた基礎底は盛り土面には置けないので古家撤去後の現状最低地盤からマイナス数センチとした。それでも長期地耐力は65KN/㎡と判定され地盤保証を得ることができた。敷地は地山であり盛り土による造成はなかったので一安心でした。

CIMG4019

地盤保証を付けないなら布基礎でも可能ですが剛性をより確保でき、安全性が高まるのでべた基礎にしました。北側道路面より現状地盤が500から800低く南側にレベル差を利用して南側に駐車場設けることもあり1階の床面レベルを勾配のある北側道路より0.7m~1m上げた位置に決めました。駐車場側は深基礎にしてべた基礎底面よりさらに1.1m程度下げて基礎底盤を決めました。

 

擁壁の底盤も西側隣地と現状地盤とは1m以上の段差があり西側隣地境界側は盛り土になりますが建物基礎で土圧を受けて擁壁に土圧がかからないようにして工事費を下げる工夫をしました。東側隣地側には高さが6段積み(この高さまでは通常控え壁などの補強は必要ない)のブロック塀があり、敷地のほぼ半分まではすぐ脇まで駐車場となるのでその側壁を兼ねて新たな擁壁を設け駐車場の反対側の擁壁と鉄筋コンクリートの床で結んで土圧の力の相殺を考えてブロック塀の補強を行いました。

CIMG4009

都心のフラットな敷地での計画に比べて敷地(隣地とも)の段差があるため外構や擁壁や地盤レベルの決定および1階床レベルの決定はかなり慎重にことを進めて行く必要があります。

※写真は毘沙門堂の秋

 

 

  • ケヤキの見える窓辺
  • お問い合わせ
  • 建築家×弁護士