建築条件付きフリープランというけど建売住宅と変わらない?
2016年7月20日[ケヤキの見える窓辺]
2か月に1回の割で一般の消費者相手に弁護士と建築士が一緒になって相談会を行っているが「建築条件付きの土地」に関するトラブルは比較的多い。
マイホームを手に入れようと計画される場合はまず敷地探しから始めることが多い。建売はいやで土地を探して注文住宅を目指す方も多い。なかなかこれといった土地が見つからない。あっても「建築条件付き」の看板が立っている場合が多い。しかも大概は「自由設計」の文字も併記されている場合もあり、また土地の販売交渉の中で建物はフリープランでOKとの説明を受けることが多い。。一般の方にとってこれがワナである場合があることに気付かない。
「建築条件付き土地」とは土地売買とはどういうものでしょうか?土地の売主に建物を建ててもらうことを条件に土地を買うということです。売る側からしてみれば「うちで家を建ててもらえるならこの土地を売ってもいいですよ」ということです。
土地の販売価格を抑えて客寄せし、建物を建てるときにしっかり稼ぐケースが一般的。
建売住宅が嫌で建築条件付き土地を探して家を計画されても結果的には建売住宅と内容が変わらないケースが多い。
建築条件付き土地でフリープランと謳いながら「間取りはこの中から選んでください」とか「キッチンの形態も3つぐらいのタイプの中から選んでください」とか制約のあるのがほとんどである。この制約外の話になると建築コストは急に跳ね上がることになる。
消費者にとっては建築のコストは重要ですので、販売会社はあらかじめ工事金額をはじいたプランを用意している。もちろん自分たちの利益を十分にのせたものになっているのはもちろんだ。それは建売住宅とも競合するので競争できる値段に設定してある。
大工の単価も工事の難易度により異なる。つまり安くしているなら大工単価の安い建物になっているので注文住宅には対応できない場合が多い。
一般の消費者はそのあたりの事情がつかめないので、たとえば「和室は純日本風」にしたいという希望をだせばそれ相応の大工さんに頼まざるをえないのでコストは大幅にアップする。業者によっては腕のいい大工と付き合いのない場合があり、客の要望に対応できないケースも見られる。
「建築条件付き」の場合正常な取引は「建物のプランが決まった段階で建築工事請負契約を結ぶことになるが、業者によっては「土地の売買のときに、土地建物売買契約を結ぼうとする」ケースがあるので要注意。
※写真はしまなみ海道周辺の建物