pagetop

BLOG

blog

家づくりは長い目で考えよう!

2014年6月14日[お知らせ]

家を新築するときには誰も我が家の末路に思いはせることはない。しかし家には寿命があるのは誰しも認めることだ。また人生の中でも生活のスタイルが変わってリフォームすることだってある。そういうことまで考慮してマイホームを考えて欲しい。

 

例えばあるハウスメーカーは木造ではあるが接合部をスチールで補強した工法を採用して家の安全性を強調している。リフォームのさいはどうなるのだろう。まずメーカー独自の工法や金物の仕様によってメーカーの下請け業者しか選べず、リフォーム業者の選択の余地はない。新築のときに不満が残っていてリフォーム時にそのメーカー以外の業者を選びたいと思ってもできない。CIMG8450

 

以前この工法の建物の相談を受けたことがあるが、長年雨漏りがして腐朽した柱など部材を取り換えることは複雑な接合部の納まりのため多大の手間と費用が発生することを見てきた。このメーカーはリフォームなどメンテを考えた家づくりをまったくしていないことがわかった。

 

長年リフォーム設計に携わってきたが木造では在来の木造軸組工法が一番だと思う。柱や梁などの接合部もスチールの強度で持たせていないため、複雑な納まりになっていない。補助的にスチール金物を使うことはあるが取り外しは容易だ。使わない設計だって可能だ。また全国各大学の専門研究者や国や研究所の研究者や全国の設計事務所や施工業者が関与してオープンニされた情報をもとにて工法の改善に努めてきた。改善された情報は全国にオープンにされて普及させる方式をとっている。

 

一方ハウスメーカーではトラブルの情報も開示しないし、改善はあっても1社の中だけでのもので第三者の目はまったく入っていない。まさにブラックボックス状態だ。

 

使用する建築材料もメーカー独自が開発し、その独自性をもって他と差別化する方法をとっている。新たな建材は次から次へと開発されているが、家の寿命よりはるか短時間で捨て去られる運命にある。取り換える時期がくれば部分取り替えは不可能ですべて廃棄処分しなければならない。廃棄したあとはただゴミとして処分されるだけで再利用もできない。また処分のさいに有毒な物質が発散されることが多い。これらの情報も一般に開示されることは少ない。DSCF4411

 

シックハウス問題をみてみよう。きれい、早い、安い、簡単を目標に開発された新建材はわれわれにシックハウスという疫病神を呼び寄せたことは忘れまい。

 

施工業者や設計者の選択が自由でしかもオープンにされた情報をもとに全国の専門業者がその改良にまい進している工法を選択しない手はないと思う。

※写真は家内の陶芸作品

  • ケヤキの見える窓辺
  • お問い合わせ
  • 建築家×弁護士