30年前の家に住んで
2023年8月7日[ケヤキの見える窓辺]
暑い日が続きます。住宅の性能が上がったせいか便利にはなったが、逆に昔に比べて生活の豊かさがなくなったような気がします。私の自宅は30年前に他の建築家が設計した家ですがまだ一度も大規模改修をしたことがありません。リビング周りは勾配天井で最高高さは3.6mあります。2.1m以上は北側以外はガラス窓になっています。さすがにガラスは反射ガラスにはなっていますが。冬寒く、夏暑い典型的な住み心地のある意味悪い家です。そうはいってもリビングには床暖房が入っていますが。ただこういう構造の家なので自然環境が直接わが身を包む感じがします。空がよく見え、夜星空や月などの動きもてにとるようにわかります。当然天気の具合などよくわかり、自分なりに準備(雨用の靴を履いたり、傘を用意したり)をします。
一番効率の良い家は窓のない家だそうですが、夏の暑さに対しては今の家のように窓を閉め切ってエアコンで効率よく冷房するという気密性や断熱性を有していません。窓も当然二重ガラスにはなっていませんし、シャッターなども当然装備していません。もちろんエアコンも使いますが、自分の生活する空間のみで他の部屋は自然風を利用して直射日光を防ぐときは障子を使ってやわらげそうでないときは窓を開けています。
外部環境に応じて自ら判断して対処してゆかねばなりませんが、私にとっては「生」を意識できるありがたさに感謝しています。太陽光がきつければすだれを利用して調整したり、すだれは風もある程度通りますので私にとってはありがた装置です。
確かに自ら感じて、判断して対処していかなければならないある意味面戸くささがありますが、これも私にとっては幸せではないかと思っています。