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現代住宅は本当に豊かになったのか?

2019年2月23日[お知らせ]

現代の住宅は技術が発展して断熱性、防火性、耐震性などが向上した。しかし楽しくない家が増えているように思う。私の子供のころを思い出してみると冬場は確かに寒かったが木を燃やして暖をとっていた。それは現代から見ると木造家屋内で木を燃やすなんてもってのほかと非難されるだろう。確かになにもしないよりは火事などの危険があるだろう。

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私や家族は火の回りに集まって暖をとった。たわいない話をしながら餅を焼いたりして過ごした。火を囲むと私たちはリラックスして自然に和やかな気分になるのは経験した人ならわかるだろう。また人間は火を見ることで考えが深まったり、日頃見えないものが見えることが多く認がんの成長に役立つと思う。それにこんな火を囲むという単純なことで人同士和やかになってしまう。寒さの中に暖をとるということが大切であることはいうまでもない。

 

一方現代の暖房装置はどうか?部屋全体を一定に温めるのが暖房ということであるがこれは西欧から入ってきた言葉である。私たちが昔からあったのは「採暖」という考えであった。私たちは、家の断熱性能が悪い(気密が悪いので換気性が高い)ので寒さと(木を燃やしたりして得る)温かさが同居している家に住んでいた。断熱性と気密性は切り離せないので現代住宅の中で火を焚くというのは危険であることは言うまでもない。省エネ性能のよいエアコンや気密性能のよいアルミサッシが発明されたおかげで私たちは夏と冬の極端な暑さや寒さから解放されて昔に比べて快適に暮らせるようになった。が一方で火を囲んで生活する楽しさも奪われた。火を見るという私たちの知性の発達に大切な行為も失われた。

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高価な暖炉までは求めないが囲炉裏や薪ストーブを囲んで冬の夜長を楽しみたい。また子供たちに火を見るということも生活の中で受け継いでいって欲しいと思う。

 

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