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建材について考える

2017年1月13日[ケヤキの見える窓辺]

つぎつぎと新しく開発された新建材の情報が出てきます。開発される方は多額の開発費をかけて行うので抱えるリスクは大きいと思います。そのため開発方針が世の中のニーズを反映したものをもとに決められたものが多くなるのは当然だと思います。

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しかし私の生業である建物の設計には一般の世の中のニーズとは異なるコンセプトに基づいて行うことがほとんどです。そのため私たちのニーズに合う建材は非常に少ないと感じます。それは世の中のニーズの主流が「安い、便利、きれい」であり、これらは私たちの設計上のニーズで必ずしも上位ではないからです。

 

たとえば私たちが建材に求めるものに「人間の五感の琴線に触れる」というのがあります。

街にあふれる住宅の外観に見える外壁をみてみればわかる。「安い、便利、きれい」を満たしているものがほとんどであるが私たちが感じるのはその感じだけでそれ以上のものはなにも伝わってこない。先の条件に「珍しい」というのも入るかもしれないが街にあふれるのはただ「珍しい」というだけですぐに模倣品が出て飽きられる大量消費社会にドップリ浸かった建材がほとんどである。

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私たちは古い街並みを見てその構成している材料が「安い、きれい、便利」という条件を満たしているわけではないのに魅了されるのは私たちの五感を通じて感性が刺激されるからだと思う。「懐かしさや居心地の良さ、端正さ、ほっと一息つける、安心感」などを感じるからに他ならない。それに材料だけではなく風や光、匂い、ときには音などの自然環境や経過する時間と一体になって私たちに重層的に働きかけてくるからだ。

 

私たちの日常の大切な部分はとくに住宅ではこの重層的な厚みや深さが感じられる空間に身をおくことで心身がリフレッシュされ「自ら生きるとき」を再認識することではないだろうか?

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私の設計の中心には「私たちが生きる」ということをサポートする空間を実現させることがある。そのためには空間を構成する材料の選択とともに自然環境との関わり方も同様に大切になる。

※写真は京都祇園の玄関を飾る緑

 

 

 

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