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家づくりのすすめ①——–土地探し

2016年10月31日[ケヤキの見える窓辺]

やっと今月末で住宅を一つ完成させて引き渡しを終えました。住宅をきちんと設計できたらどんな建物でも設計できるということは昔からよく言われてきました。それほど住宅の設計は奥深いものだと感じます。今回はご夫婦が30そこそこの若い子育て世帯の住宅でした。DSCF0116

 

最初は土地探しから始まりました。敷地選びはご夫婦とも共働きということで通勤に支障がなく子供を育てるのに必要な環境を備えているということが一番で当然予定資金に見合う価格で購入できるという条件でした。まず通勤条件から選択するエリアを絞り、そのエリアに住んでいる私の知人を頼りに信用できる不動産屋を紹介してもらいました。その土地の教育環境の情報などは地元の不動産屋が一番よく知っています。ご夫婦とも他の地域で長年住まわれていて結婚を機にご主人の会社の社宅に移り住んだので教育環境などの地元の情報はまったくありませんでしたので。

 

不動産屋さんの紹介で何件か物件をご主人と一緒に見て回りました。隣接地の状況を見て私なりにアドバイスをしました。一つは駅から近かったのですが家の庭になる側にマンションの駐車場がありました。マンションの建物からは距離があってよかったのですが車の出入りの際の騒音と排気ガスの発生等で子供に与える健康上の悪影響のことを考えお勧めしませんでした。また敷地に井戸が残っているものもありましたがやはり扱いが面倒なのでおすすめしませんでした。お勧めしたのは南北両側に道路があり南北で2m近くの段差があり、西側には敷地境界もはっきりしないややこしそうなブロック擁壁があり、隣地とは1.5mほどの段差がありました。また古家もついていて南側の南西部には電信柱と斜めに引っ張る支線があり、車の出入り口や庭をつくるのに大きな影響を及ぼしかねない代物でした。古家の解体や擁壁の取り壊しと新設が必要でプロのハウスメーカーでも手が出ないで売れ残っていました。ただ学校など教育の環境は良いと調べがついていました。

 CIMG5333

インフラの状況も調査して基本構想を練って施主の希望する条件を満たせるかどうか検討しました。取り壊し費用と新たに造る擁壁などの付帯工事費と土地の売り出し価格と建築工事費の検討でなんとか前に進めてもいいとの結論がでました。敷地に高低差があり、長年ホッタラカシで草ぼうぼう、南に電柱と支線があり、既存擁壁の状態など一見すると誰も簡単に手が出ない代物でしたがそのおかげで売れ残っていたのでラッキーと考えました。

 DSCF0122

まず土地を買う資金を用意しなければなりません。ほぼ全額借金で賄うつもりでした。不動産屋から銀行を紹介していただいて私の方は工事概算書など必要書類を作成して銀行の審査を受けました。この銀行では本契約の時には建設会社の請負契約書が必要でしたので建設会社も知人の紹介で本人ともお会いして信用できる人物であると判断して私の作成した基本設計図をもとに工事見積もり書を作成してもらいました。こういう流れでなんとか敷地を決定することができました。もちろん土地の売買は売主が測量図を作成することになっています。当然隣地境界は売主が確定しなければなりません。

※写真は唐招提寺

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