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中古マンションのリフォーム

2016年3月17日[ケヤキの見える窓辺]

先日、弁護士と一緒に活動しているある相談会で中古マンションを購入してバリアフリー住戸に全面改修を考えておられるご高齢者が相談に来られた。事情はプライベートなことなので公開はできないがとにかく時間的に緊急を要する様子であった。

 

すでに物件を決めておられて不動産屋を通さず個別に交渉されているとのことであった。中古マンションを購入する際は気をつけねばならないことがある。耐震性などの安全性、きちんと定期的に修繕を含めて手入れされているか、適正な修繕積立金の保有が確保されているか、マンションの管理費や修繕積立金の額が生活するうえで負担にならないか、築年数か近々に大規模なインフラの改修が必要になるか、住戸までのアプローチがバリアフリーになっているかなどチェックしておく項目は多い。

 

お話を伺うとまだほとんどの項目がチェックされていないことがわかり、あわてて中古マンションを購入することは止め、とりあえず賃貸マンションに住まわれて、余裕をもって中古マンションの購入、改修を検討されることをお勧めした。

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マンションを適正に維持管理をしていくためにはそれなりに費用は必要でそれは入居者から集める管理費や修繕積立金がベースになる。戸数が少なくエレベーターがついているとなると当然管理費は高くなる。また築年数がたつと大規模なインフラの改修が必要になり、一時金を集めたりしないと改修はおぼつかなくなる。また築年数から新耐震基準導入以前の建物だと耐震改修が行われていないと耐震性が十分でない場合もある。

 

購入費用、改修費用に合わせて月々の生活費も加えて、さらに上に挙げた項目を把握して納得のいく判断をしないと後に後悔することになる。ただ素人の方が単独で判断するには困難な項目もあるのでここではマンションに通じた建築士などの専門家のサポートを受ける必要がある。その専門家も自らの味方になる立場の人を選ぼう。不動産屋からの紹介を受けた場合などは要注意。当然自分の利益になるアドバイスをするとは限らないので。

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そのような専門家を選ぶ際にはまずマンションの設計と監理を実際行った経験があり、さらに住戸の全面改修の経験が豊富、マンションの大規模修繕の経験もあり、不動産屋や建設会社の下請け的な仕事をしていない志のある専門家を選ぶことが大事である。建築士の数は多いが実際設計活動をしているひとの数は少ないし、きちんと志をもって社会のために活動している専門家の数はより少ないのではないだろうか。

※写真は家内の趣味の陶芸の最新作 口当たりのいいコーヒーカップと手作り感あふれる皿です。

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